WordPressブログをAWSで構築する(0) - 準備編
このページにたどり着いた方は、「よーし! ブログサーバーをAWSで構築するぞ!」と
決めていると思いますが、起動するまでに時間はかかるため、途中で心が折れてしまうこともあると思います。
私もブログを始めるにあたり、ツールはWordPress一択でしたが
サーバーは「レンタルサーバー」にするか、「AWS」にするかで迷いました。
まず、最初に
なので、始める前に「自分なりのメリット・デメリット」を整理しておくとよいでしょう。
私のメリット・デメリットは、以下でした。
レンタルサーバー
- ◯ サーバー構築がなく、すぐに始められる
- ◯ たぶん安い
- ✖ 細かい設定がしたくなったときにできない
- △ FTP接続が少し嫌
- △ なんだか負けた気がする
AWS
- ◯ 慣れている (なんだかんだと5年くらい触っている)
- ◯ 細かく設定できる
- ✖ 慣れているとはいえ、時間はかかる (すぐに記事を投稿できない)
- ✖ 時間をかけているうちに、熱が冷めそう
- ✖ 色々やりたくなって、コスト高になりそう
実際にメリット・デメリットを挙げてみると、レンタルサーバーの圧勝でしたが
最終的には「AWSでサーバー構築したい」という気持ちが勝って、作業を始めることになりました。
このように、始める前に客観的に気持ちを整理しておくと、途中で投げ出しちゃうこともないのかなと思います。
システム構成を図にしよう
気持ちの整理がついたら、構成を図にしてみます。
図にすることの良い点は、作り直しが発生したり、予想外のところでお金がかかったり
といったことを防げるところでしょうか。
大方針として「 コスト優先 」としています。(であれば、レンタルサーバーの方が...)
その他の方針は、以下です。
お金をかければ構築も運用も楽なのですが、昔ながらのシンプルな構成で進めたいと思います。
- Lightsail もあるが、EC2 の t2.micro 無料枠を活用する(Amazon Linux 2)
- DB は RDS に外出しせず、EC2 内にインストールする
- ドメインは外部で取得して、Route53 でルーティングする
- SSL は ACM+ALB を利用せず、Apache に証明書を設定する
- バックアップファイルは、S3 へ保存する
発生する費用を計算しよう
この構成にした場合の 初期費 を計算してみました。
ちなみに、ブログでアフィリエイト収入を目指す方は、先に A8.net に登録することをオススメします。
ドメインが「1つまで無料」や「セルフバック」の案内があり、お得に購入・取得できます。
ドメイン | VALUE DOMAIN | 100円〜5,000円 | 1〜5年分 |
SSL | KING SSL | 990円 | 1年分 |
WordPressテンプレート | AFFINGER 5 | 14,800円 | − |
また月額費の目安は、以下になります。
アクセスがさほどない初期段階では、2,000円 未満で運用できそうです。(決しては安くはない...)
サーバー | AWS EC2 | 1,300円 |
サーバー 固定IP | AWS EC2 ElasticIP | 360円 |
DNS | AWS Route53 | 50円 |
バックアップ | AWS S3 | 10円 |
構築する順番を決めておこう
実際の構築順も、検討しておきます。
ドメイン取得から始めてもよいのですが、せめてWebサーバーを立ててから と思い、この順にしています。
SSLは、ACM+ALB構成の場合であれば後からでも楽に追加できるのですが
Apacheに証明書をインストールする構成の場合は、WordPressを起動する前にやっておいた方がよいですね。
- AWS EC2(Amazon Linux 2)初期設定
- ドメイン取得・Route53設定
- SSL承認メール受信用のSES・Route53設定
- SSL購入・Apache設定
- WordPressインストール・初期設定
- WordPressプラグイン設定
- WordPressテンプレート設定
先に命名しておこう
そろそろ手を動かしたくなってきますが、その前にやっておいた方がよいことがあります。
それは「各種リソースの 命名 」です。
色々なサービスでユーザーを作っていきますので、最初に「これはこの名称で」と決めておくと、迷わず作業を進めることができます。
特にID・パスワードは、Linux・MySQL・WordPressと3つ必要となります。
その都度決めようとすると同じID・パスワードにしてしまったりと、セキュリティが甘くなる可能性もありますので、事前に決めておきましょう。
AWS EC2(Amazon Linux 2)初期設定時に必要な命名 ①
- Linux ルートユーザー名 (ec2-userから変更する場合)
- Linux ルート権限のパスワード (設定する場合)
- 独自SSHポート番号 (22番以外でSSH接続する場合)
ドメイン取得 / SSL購入・設定時に必要な命名 ②〜④
- ドメイン名
- ウェブサイトURL (www. 等のサブドメインを利用するか)
- 各登録サービスからのメールを受け取るメールアドレス (Gmail など)
WordPressインストール・設定時に必要な命名 ⑤⑥
- MySQL 内の WordPress用DB名
- MySQL 内の WordPress用DBユーザー名・パスワード
- WordPress に管理者ログインするときのユーザー名 (パスワードは自動生成)
- WordPress ログインページURL (wp-admin / wp-login.phpから変更する場合)
- バックアップ先の S3バケット名・フォルダ名
以上で、準備は完了です。
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WordPressブログをAWSで構築する(1) - ドメイン・SES・S3編
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